• 電気通信大学、プログラミング教室、東京都調布市

▼バベッジさんの階差機関は、後年、息子が一部をハーバード大学に寄贈。機械式計算機を作りたいと考えていたエイケンさんが対面。以降、バベッジさんがエイケンさんの心の師匠になる。
▼エイケンさんはIBMの協力を得て1944年に電気機械式コンピュータHarvard Mark Iを完成させる。バベッジさんが解析機関を構想した100年後だ。バベッジさんは資金難で完成できなかった。しかしエイケンさんは動いてちゃんと仕事をするマシンを作り上げた。
▼IBMがなぜコンピュータ開発に資金を投じたかというと、軍を中心に科学技術計算の需要が高まりビジネスとして成立する可能性を読んでいたから。IBMはホレリスさんのタビュレーティングマシンを母体とする会社なので、計算機に対する理解は高かった。
▼ENIACと時期的に同じであるのにも関わらず、世界初のコンピュータとしてENIACが定着し、Harvard Mark Iが目立たないのだろう。ENIACは真空管を使うデジタルコンピュータで、MarkIは歯車と機械式リレーを使っていた。その違いが大きい。
▼Harvard Mark I のプログラマにCOBOLの開発者グレース・ホッパーさん(4月28日)がいる。

ハワード・エイケン Howard Hathaway Aiken 1900-1973 数学者
1900年、米国ニュージャージー州のホーボーケン生まれ。
教育
1910年(10才)一家でインディアナポリスに転居。
1912年(12才)アルコール依存症で母親に家庭内暴力を振るう父親に対し、暖炉の火かき棒を振り回して追い出す。一家を養うため学校を辞め仕事につく。エイケンさんの数学の才能を認めていた教師から夜間の仕事(電気技師)を紹介され、復学。
1919年(19才)インディアナポリスの アーセナル技術高校を卒業。ウィスコンシン-マディソン大学に入学、電気工学を学ぶ。夜はマディソン-ガス&電気会社の社員として働く。
1923年(23才)ウィスコンシン-マディソン大学で B.S. (電気工学)。マディソン-ガス&電気会社の主任技師。
活動
1927年(27才)マディソン-ガス&電気会社を辞め、ウェスチングハウス社に入社し発電装置の開発に従事。
1931年(31才)ウェスチングハウス社を辞め、デトロイトにある Line Material社に入り地域マネジャー。
1932年(32才)地域マネジャーの技術管理職に納得できず博士号を取得するためシカゴ大学に入学。
1933年(33才)シカゴ大学のカリキュラムに納得できずハーバード大学の大学院に転学。
1935年(35才)ハーバード大学で講師(物理学と情報工学。36年まで)。
1937年(37才)ハーバード大学で A.M.(物理学)。
1939年(39才)WWII。ハーバード大学でPh.D.(物理学)。面倒な計算をさせる電気機械式計算機を発想。同僚から学内にバベッジさんの息子ヘンリーさんが1886年に製作した解析機関の一部があると教えてもらう。実機と対面し、以降、バベッジさんを心の師と仰ぐ。
1941年才)ハーバード大学で associate professor(応用数学)。
1944年(44才)エイケンさんが考案、IBMが製作したアメリカ初の電気機械式計算機 Harvard Mark I (IBMではASCC:Automatic Sequence Controlled Calculator)が完成。電気機械式のリレーを使用。グレース・ホッパーさんがプログラマとして参加。アメリカ海軍が計算に使用。
1945年(45才)WWII終戦
1946年(46才)ハーバード大学で full professor(応用数学)。
1947年(47才)Harvard Mark II 完成。電気機械式のリレーを使用。アメリカ海軍に納品。
1949年(49才)Harvard Mark III 完成。電子部品真空管やダイオードなどの電子部品を使用。アメリカ海軍に納品。
1952年(52才)Harvard Mark IV 完成。半導体を利用して完全電子化。アメリカ空軍用に製作。
1961年(61才)ハーバード大学を退職。フロリダに移転。マイアミ大学の特任教授(情報学)。
1970年(70才)IEEEからエジソンメダル受賞。
1973年(73才)コンサル先へ移動中に死去。

https://history-computer.com/People/AikenBio.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%B3
https://ja.wikipedia.org/wiki/Harvard_Mark_I