• 電気通信大学、プログラミング教室、東京都調布市

▼ナウアさんは子供の頃から星を見るのが好きで天文学にハマり、中高時代は近所の天文台に自転車で通っては軌道計算をするようになり、天文学者の手ほどきで天体計算に必要な数学をマスターしてしまう。天文学者になろうとPhDは天文学。イギリスのケンブリッジに留学したとき、いつも曇りで天体観測ができない。しかしケンブリッジ大学にはEDSACがあったので、計算に挑戦。見事に使いこなす。2時間かかる手計算を20秒で終わらせ、コンピュータの力に納得。それが天文学からコンピュータにキャリアを転換するきっかけになる。
▼ALGOLはヨーロッパの学者が集まり、アルゴリズムの研究開発用に開発した言語。アメリカではIBMのFORTRANが科学技術計算に使われていたので、ヨーロッパの学者がこれに対抗して世界中に提供する意気込みだった。ナウアさんはALGOL開発の途中参加組。カンファレンスを企画し、学術誌を出すなど発展に寄与。
▼ナウアさんは77才のときチューリング賞を受賞。受賞理由は、プログラミング言語の設計とAlgol 60の定義、コンパイラの設計、そしてプログラミングの技術と実践に対する根本的な貢献に対して。

ピーター・ナウア Peter Naur 1928-2016

1928年、デンマーク生まれ。父は画家。豊かな子供時代を過ごす。
父の蔵書で科学に興味を持つ。特に天文学に強い関心を持つ。
教育
1939年(11才)WWII
1940年(12才)ナチスがデンマークを占領中、夜の電気が消えたので星の観察に幸いした。
学校が終わると自転車で天文台に行き、天文学者から彗星や惑星の軌道計算方法を習う。
天文学者に微分方程式を習い、対数表を使い機械式計算機で数値計算を行うようになる。
1943年(15才)独力で天文に関する論文を書き上げる。戦後に出版。神童。
1944年(16才)コペンハーゲンのギムナジウムに入学。
1945年(17才)WWII終戦
1947年(19才)ギムナジウムを卒業。
1949年(21才)コペンハーゲン大学を通常5年かかるところを2年で卒業。mag. scient. Degree(天文学)。
1949年(21才)卒業後、1年間、兵役につく。
1950年(22才)ケンブリッジ大学キングスカレッジで天文学と新興分野のコンピュータ・プログラミングを学ぶ(51年まで)。
ケンブリッジは曇りが多く天文観察ができない。代わりにEDSACで天体の接道問題の計算に挑戦。
計算技術は子供ころの天文台通いで全て身に着けていた。結果、手計算で2時間の計算がEDSACは20秒。
1957年(29才)コペンハーゲン大学でPhD(天文学)。
活動
1950年(22才)ケンブリッジ大学キングスカレッジで研究学生(51年まで)。
1952年(24才)アメリカで天文学の研究を継続(53年まで)。ハーバード大学でH・エイケン先生、プリンストン大学でノイマン先生と会う。
1953年(25才)コペンハーゲン天文台でscientific assistant(59年まで)。
1956年(28才)天文学を離れ、コペンハーゲンの計算センター Regnecentralenでプログラマになる。上司の指示で後にALGOL (ALGorithmic Language)となる言語開発へ参加。コペンハーゲン大学で講師(69年まで)。
1958年(30才)先行する研究者がZurich Report に International Algebraic Language (IAL)を定義(ALGOLの前駆)。同僚とIAL 用コンパイラ開発に着手。
1959年(31才)コペンハーゲンでIALの技術会議を開催。ヨーロッパのエンジニア20-30名が集まり Zurich Reportについて議論。口頭よりレポートが重要と判断し、ジャーナルALGOL Bulletinを開始。すぐ中心的媒体となる。編集を担当するナウアさんがALGOLの代表格になる。
1960年(32才)プログラム開発のパイオニア役を担う。
1969年(41才)コペンハーゲン大学のコンピュータサイエンス研究所で教授(99年まで)。
1970年(42才)E・ダイクストラさん(6月21日)と N・ウィルスさんによる構造化プログラミングの論敵になる。
1990年(62才)ポパー、クーン、ラッセル、ライル、W・ジェームズなど哲学者の考えを導入。
2005年(77才)チューリング賞
2016年(88才)死去。

https://amturing.acm.org/award_winners/naur_1024454.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A2#:~:text=%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A2%EF%BC%88Peter%20Naur%E3%80%81,%E3%81%AB%E4%BD%BF%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82