• 電気通信大学、プログラミング教室、東京都調布市

CPUの命令の持ち方には二つの流派がしのぎを削っています。ひとつがたくさんの命令を持つCISC(Intel社)、もうひとつは命令を少なくしスピードUPを目指すRISC(ARM社)。コックさんはRISC派の開祖、RISCの生みの親です。

ジョン・コック John Cocke 1925-2002 計算機科学者
1925年、アメリカ東海岸の北カロライナ生まれ

▼業績
RISC(Reduced Instruction Set Computer)
1975年(才)IBM 801 Minicomputerプロジェクトを担当
The 801の設計思想は、ハードウェアとコンパイラの緊密な連動を基盤にしていた。その結果、多くの複雑な命令がハードウェアに組み込まれているという当時の一般的なアーキテクチャとは異なっていた。
例えばIBM 7030には735個の命令が組み込まれていた。特定のプログラミング環境では便利、しかしハイレベルプログラミング言語のコンパイラ設計者にとっては難儀だった。
コックさんは801のために、より簡単でより速くマシンを動かすコンパイラの開発に最適化した設計を決意。基本的な命令に絞った小規模なセットの開発に着手。このアプローチは、コンピュータアーキテクチャ研究に大きな影響を与え、後のRISCの源流となる。
コックさんのグループは、命令セットを適切に定義し、コンパイラが生成するプログラムが効果を発揮するよう配慮。その結果、複雑な命令セットよりも、低コストでハイパフォーマンスを引き出すことに成功した。
コックさんらが開発したコンパイラはPascalなどに実装された。

▼略歴
父は電力会社Duke Energyの社長でデューク大学の理事。その関係でデューク大学に進学。
1946年(21才)デューク大学 BSE: Bachelor of Science in Engineering( mechanical engineering)
1953年(28才)デューク大学 Ph.D. (Mathematics)
1954-92年(29-67才)IBMワトソン研究所に37年間務める

▼1987年(42才)コンパイラ、大型システムのアーキテクチャ、RISCに関する理論と設計で重要な貢献によりチューリング賞を受賞

https://amturing.acm.org/award_winners/cocke_2083115.cfm
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AF
基本情報技術者試験ワンポイント講座「RISCって何?」